去年、親友の父親が定年退職しました。話を聞いてとっても驚いたのは、その父親は今、スーパーの駐車場の交通整理の仕事をしているということでした。スーツ姿が印象的な真面目な会社員で、おそらく平均かそれ以上の安定収入があったように思っていたんですが...老後を夫婦ふたりで過ごしていくには貯金が全然足らなかったそうです。

この前の日曜日、たまたまそのスーパーの前を通りかかった時、作業服を着て車を誘導しているその親友のお父さんの姿を見かけました。スーツ姿のイメージが強かったので...なんと言うか、ちょっとショックでした...

とはいえまだ40代の私も、人ごとではありません。

今は働いていて毎月収入があるけども、いつか働けなくなる日がきます。それに、これから子供が進学していくにつれて出費も増えるし、家のローンもある。定年後、夫婦ふたりで暮らすには貯金が3000万円必要だとか、いややっぱり5000万円だ、とか。あるいは医療の進歩で「長生きするリスク」があるから１億円が必要だ、とも言われますよね...

それに、もし頑張ってたくさん貯金ができたとしても、退職したその瞬間から入ってくる収入が「ゼロ」になってしまったら...貯金残高は減っていく一方ですから、想像するととても不安です。毎日のように残高を気にしながら生活するのは息がつまるんじゃないだろうか... これがなくなるまでに自分は死ねるだろうかとか、そんなことを考えることになるのかな...

別の人生シナリオもあるんじゃないだろうか？豊かな将来を送るために...何か今、できることがあるんじゃないだろうか？

それがこの本を出版しようと思った理由です。

（マネー先進国の米国に学ぶことで）日本人のマネーリテラシーを向上させることが目的です。

日本人は資産のほとんどを貯金します。ほとんどの人にとっての「貯金を増やす」ということは、「一所懸命働いて稼いで、節約して出費を抑える」という意味とイコールです。それ以外の方法を知らなければ、そうするしか仕方がありません。そして親が子供に教えられることも、「無駄遣いしてはいけませんよ」、「貯金しないといけませんよ」ということくらい...

でも、それって本当に正しいのでしょうか...

この本を無料で見られるようにしているのには2つの理由があります。

• １）1つは、私は日本人のマネーリテラシーを高め、将来を物心共に豊かに過ごせる人を増やしたい。安心して歳を重ねられるようにしたい。そしてぼくらの子供や孫の世代が、将来に希望を持てるようにしたい。そう思うからです。私も人間ですから、人の役に立てることは純粋に喜びです。
• ２）もう1つは、これをキッカケに、私たちが販売しているほかの本などに興味を持ってもらいたいからです。

私たち日本人は、米国に比べて金融知識、マネーリテラシーがとても低いということに私は強い危機感を覚えています。極端なくらいリスクを恐れているかと思えば、一方で仮想通貨や株式などの儲け話に飛びついたりします（そして損します）。結果、明るい将来が見えず不安も残ったまま...

その流れを断ち切るには、私たちひとりひとりが知識を身につけて自立することが重要だと思うんです。そのために、私たちの扱っている本で一緒に学びたいという人が、この本をきっかけに増えてくれたら嬉しいです。